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歯科用口腔内スキャナーとは?型取りの負担や被せ物・矯正の精度が気になる方へ

2026/9/23

「型取りで気持ち悪くなったことがある」「被せ物が合うか心配」「矯正治療の歯型はどのように取るのだろう」と、不安を感じている方は少なくありません。
型取りは治療の土台になる大切な工程ですが、方法にはいくつか選択肢があります。

この記事では、歯科用口腔内スキャナーを使ったデジタル計測について、従来の型取りとの違い、活用される場面、確認しておきたい点を一般的な観点からご説明します。
大切なのは、デジタルか従来法かを一律に決めることではなく、お口の状態や治療内容に合わせて、適した方法を選ぶことだと私は考えています。

歯科用口腔内スキャナーとは

口腔内スキャナーは、小型のカメラのような機器をお口の中に入れ、歯や歯ぐきの形を連続して読み取る装置です。
読み取った情報は、立体的なデジタルデータとして画面上に表示されます。

従来の型取りでは、トレーと呼ばれる枠に印象材を盛り、お口の中で固まるまで待つ方法が一般的でした。
一方、口腔内スキャナーでは、歯列を少しずつ撮影するように読み取っていきます。
途中で読み取り状況を確認でき、必要に応じて追加の計測を行える点が特徴です。

ただし、スキャナーは診断や治療そのものを行う機器ではありません。
得られたデータに加え、むし歯や歯周病の状態、噛み合わせ、歯ぐきの状態、レントゲン画像などを総合して、治療方針を検討します。

従来の型取りとの主な違い

項目口腔内スキャナー従来の印象材による型取り
記録の方法歯を撮影して立体データ化します印象材を用いて歯の形を写し取ります
お口の中での感覚機器を順番に当てながら読み取ります印象材を入れたトレーを一定時間保持します
確認のタイミング画面上で読み取り範囲を確認しやすい方法です印象を外した後に、形が適切に取れているか確認します
データの扱い設計や模型作製にデジタルデータを活用する場合があります模型を作製して、修復物や装置の製作に用いることが一般的です

吐き気が出やすい方や、印象材の感触が苦手な方にとっては、デジタル計測が負担感の軽減につながる場合があります。
一方で、読み取り時にお口を開けていただく必要があり、部位によっては頬や舌をよけながら計測することもあります。
感じ方には個人差があります。

どのような治療で活用されるのか

口腔内スキャナーは、歯の形や並び、上下の噛み合わせを記録する必要がある場面で活用されます。
当院では、被せ物・詰め物の治療や、矯正治療の検査・治療計画の検討などで、状態に応じてデジタル計測を取り入れています。(※セラミック等の被せ物・詰め物や矯正治療は公的医療保険が適用されない自由診療となる場合があります。)

被せ物・詰め物を作るための計測

むし歯などで歯を削った後、詰め物や被せ物を作る際には、削った歯だけでなく、隣の歯や反対側の歯、噛み合わせの関係も記録する必要があります。
口腔内スキャナーで取得したデータは、修復物を作製するための模型や設計に活用されることがあります。

ただし、被せ物の仕上がりは、計測方法だけで決まるものではありません。
歯ぐきの状態、削った歯の形、噛み合わせ、材料の特性、製作工程、装着時の細かな調整など、多くの要素が関わります。
当院では、型取りの前に治療の目的と工程をお伝えし、装着時には噛み合わせや適合の状態を確認しながら進めます。

※自由診療による被せ物・詰め物(セラミック等)の費用目安:約69,000円〜150,000円程度(税込)、治療期間:約1〜3週間・通院回数:約1〜3回程度(歯の状態や作製物により異なります)。主なリスク・副作用:強い衝撃による破折の可能性、歯を削る必要があること、一時的なしみる症状など。

矯正治療の検査・治療計画

矯正治療では、現在の歯並びや噛み合わせを把握し、歯をどのように動かすかを検討します。
口腔内スキャナーで得た歯列の立体データは、治療計画を説明する際に役立つことがあります。

特にマウスピース型の矯正装置を用いる治療では、歯列データが装置の製作に利用される場合があります。
一方で、矯正治療では口腔内写真、レントゲン検査、必要に応じたCT撮影、顎や噛み合わせの確認も重要です。
歯型のデジタル化だけで、適応や治療内容が決まるわけではありません。

※マウスピース矯正等の全顎矯正は原則自由診療(公的医療保険適用外)です。費用目安:約300,000円〜1,000,000円程度(税込)、治療期間:約1〜3年・通院回数12〜36回程度。主なリスク・副作用:装着時間の不足による計画の遅れ、歯移動に伴う痛みや違和感、歯根吸収、後戻りのリスクなど。

「精度が気になる」方にお伝えしたいこと

デジタル計測は、読み取り結果をその場で画面上に確認し、記録が不足している部分を追加で読み取れることがあります。
そのため、治療に必要な情報を整理しやすい方法の一つです。

ただし、口腔内の状況によっては、デジタル計測が難しくなることもあります。
たとえば、歯ぐきからの出血や唾液が多い場合、歯の奥まで十分に見えにくい場合、深い位置まで形を正確に記録する必要がある場合などです。

私は、デジタルだから精度が高い、従来法だから劣る、と単純に分けるべきではないと考えています。
それぞれに得意な条件があり、重要なのは、その時点のお口の状態に合う記録方法を選び、必要な確認と調整を丁寧に行うことです。

従来の型取りが必要になることもあります

口腔内スキャナーを使用できる場合でも、治療部位や歯ぐきの状態、作製する装置の種類によっては、印象材を使う従来の型取りをおすすめすることがあります。
また、デジタル計測と従来法を組み合わせて情報を補う場合もあります。

「以前、型取りがつらかった」「嘔吐反射が心配」「できればデジタルで型取りしたい」といったご希望は、予約時や診療前に遠慮なくお伝えください。
治療の安全性と必要な情報の確保を前提に、可能な対応を一緒に考えます。

当院で大切にしている説明の流れ

型取りは、患者さんから見ると短い工程に感じられるかもしれません。
しかし、被せ物や矯正装置、その後の噛み合わせにも関わるため、納得して受けていただくことが大切です。

  1. まず、気になっている症状や、過去の型取りで困ったことを伺います。
  2. お口の中を確認し、必要に応じてレントゲンなどの検査を行います。
  3. 治療内容に応じて、デジタル計測または従来の型取りを含めた方法をご説明します。
  4. 計測後は、得られた情報をもとに、修復物や矯正治療の計画を検討します。
  5. 治療の途中や装着時にも、噛み合わせや違和感を確認します。

最終的な診断や治療方針は、実際にお口の中を拝見し、必要な検査を行ったうえで判断します。
気になることを言い出しにくいまま治療を進める必要はありませんので、不安やご希望をお聞かせください。

型取りへの不安は、治療前に相談してください

口腔内スキャナーは、歯や歯並びをデジタルデータとして記録する方法の一つです。
被せ物・詰め物や矯正治療などで活用されることがあり、従来の印象材による型取りが苦手な方にとって、選択肢になる場合があります。

  • デジタル計測は、お口の状態や治療内容に応じて活用されます。
  • 被せ物や矯正の仕上がりには、計測以外にも多くの要素が関わります。
  • 状況によっては、従来の型取りが適している場合もあります。
  • 型取りへの苦手意識や不安は、事前に伝えることが大切です。

「自分の場合は口腔内スキャナーを使えるのか」「被せ物の型取りが心配」「矯正の検査について聞きたい」という方は、一人で悩まず、まずは気軽にご相談ください。
当院では、治療の目的と各工程をできるだけ分かりやすくお伝えしながら、お口の状態に合った方法を一緒に検討します。

この記事は一般的な情報提供です。実際の診断、治療方針、保険適用の可否は、口の状態を確認した歯科医師の判断によります。

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