子どもの食べるのが遅すぎるときに|歯科医院の院長が確認したいこと
2026/10/21
「食事がなかなか終わらない」「一口をずっと口に入れたままにしている」「毎日の食事で何度も急かしてしまい、親子ともに疲れてしまう」と悩まれる保護者の方は少なくありません。
食べるのが遅いことには、そのお子さまなりの理由があります。
食べ物の大きさや硬さ、姿勢、食事中の環境が関係する場合もあれば、歯の痛みや噛みにくさなど、お口の状態を確認したほうがよい場合もあります。
まずは急いで食べさせることだけを目標にせず、何が負担になっているのかを一緒に見つけていくことが大切だと私は考えています。
食べるのが遅くなる、よくある理由

食事に時間がかかる理由は一つとは限りません。
たとえば、次のようなことが影響している場合があります。
- 一口の量が多く、お口の中でまとめにくい
- 食べ物が硬い、大きい、パサつくなど、今のお子さまには食べにくい形になっている
- 足が床につかず、姿勢が安定しにくい
- テレビやおもちゃなどに気持ちが向き、食事へ集中しにくい
- 噛むと痛い、歯がしみる、噛み合わせに違和感がある
- 片側ばかりで噛む、飲み込みにくそうにするなど、お口の使い方に気になる様子がある
食べるペースには個人差があります。
周囲のお子さまと比べて焦る必要はありませんが、食事のたびに強い負担がある、痛がる、食べられる物が極端に限られるといった場合は、理由を確認することをおすすめします。
ご家庭で意識したい4つのポイント

1.食事とおやつの時間を決める
食事やおやつの時間が長く続く、いわゆる「だらだら食べ」は、お口の中が酸性に傾く時間を長くすることがあります。
歯は飲食のたびに酸の影響を受けますが、唾液の働きによって少しずつ元の状態へ戻ろうとします。
食べる時間をある程度区切ることは、歯を守る生活習慣の一つです。
「早く食べて」と繰り返すよりも、食事の開始時刻と終了の目安を家族で決め、食べ終わったら歯みがきや次の遊びへ気持ちを切り替えられる流れをつくってみてください。
2.一口の量と食べ物の大きさを見直す
一口が大きすぎると、噛む回数が増えたり、飲み込むまでに時間がかかったりします。
お子さまのお口に合わせて小さめに切り、硬さや水分量にも配慮してみましょう。
ただし、やわらかい物だけに偏るのではなく、年齢や発達に合わせて「自分で噛んで食べられる大きさ・硬さ」を選ぶことが大切です。
よく噛むことで唾液が出やすくなり、食べ物をまとめたり、お口の中を清潔に保とうとしたりする働きにもつながります。
3.姿勢と食事環境を整える
椅子に深く座り、足の裏が床または足台につくと、体が安定しやすくなります。
テーブルが高すぎたり低すぎたりしないかも確認してみてください。
また、食事中はテレビや動画を消し、できる範囲で食べることに集中しやすい環境をつくることも一案です。
落ち着いて食べられる雰囲気を大切にし、できたことを具体的に褒める声かけを心がけていただければと思います。
4.急かしすぎない
保護者の方にとっては、登園や就寝など時間の制約があり、急いでほしい場面もあると思います。
それでも、強く急かされることで食事自体が苦手になることがあります。
「あと一口だけ食べよう」「よく噛めたね」のように、できた行動に目を向ける声かけを試してみてください。
毎食すべてを完璧に整えようとせず、まずは一日のうち比較的余裕のある食事から取り組む方法でもよいでしょう。
歯科で確認したいサイン

次のような様子がある場合は、単にゆっくり食べる性格や習慣だけではなく、お口の中に原因がないか確認する意味があります。
- 噛むと痛がる、冷たい物や甘い物を嫌がる
- 片側だけで噛むことが多い
- 歯が欠けている、黒っぽい部分や穴がある
- 食べ物を口にため込みやすい
- 飲み込みにくそうにする、むせることがある
- 口を開けたまま食べる、姿勢が大きく崩れやすい
虫歯や歯ぐきの炎症、歯並び、噛み合わせなどが食べにくさに関係していることもあります。
一方で、飲み込みにくさやむせが続く場合は、必要に応じて小児科など他の医療機関との連携を考えることもあります。
当院でのお子さまのご相談について

当院では、虫歯の有無だけを見るのではなく、保護者の方から普段の食事の様子や気になる仕草をうかがい、お子さまのお口の中を確認します。
必要に応じて、歯の状態、噛み合わせ、汚れのつき方などを見ながら、日常で取り入れやすいケアを一緒に考えます。
歯科医院が初めてのお子さまや、診療に不安があるお子さまには、いきなり治療を進めるのではなく、会話や器具に慣れることから始める場合があります。
お子さまの性格やその日の様子に配慮しながら、できる範囲を確認していきます。
最終的な診断や対応は、実際にお口の中を拝見し、食事の様子も含めてお話をうかがった上で判断します。
「こんなことで相談してよいのかな」と迷う段階でも、気になることを遠慮なくお聞かせください。
食べる速さだけで判断せず、負担の理由を見つけましょう

- 食事やおやつの時間を決め、だらだら食べを避けることがお口の健康につながります。
- 一口の量、食べ物の大きさや硬さ、姿勢、食事環境を見直してみてください。
- よく噛むことは唾液の分泌につながり、お口の働きを支える一つの習慣です。
- 痛み、噛みにくさ、片側噛み、飲み込みにくさがあるときは、歯科での確認をおすすめします。
お子さまが食べるのに時間がかかると、毎日のことだけにご家族も心配になります。
食べる速さだけを問題にするのではなく、お子さまが安心して食べられる環境と、お口の状態を整えていくことが大切です。
一人で悩まず、まずは気軽にご相談ください。
横山歯科クリニックでは、お子さまの虫歯や歯並びをはじめ、日頃のお口に関するお悩みをご相談いただけます。
ご予約はお電話(03-6432-5226)またはオンライン予約をご利用ください。
この記事は一般的な情報です。実際の診断、治療後の注意点、保険適用の可否は、治療内容やお口の状態によって異なるため、担当の歯科医師の判断に従ってください。